北海道といえば、月並みですが「広い・自然豊か・空気が良い」などがどうしても浮かびます。
これだけの条件下なら、どれだけの野鳥達が伸び伸びと暮らしていることでしょう。
きっと、動物園などでは見られない「野鳥達の自然な姿」を見ることができるはずです。
北海道の野鳥とヒヨドリの暮らしぶりについて調べてみます。
北海道で見られるが、絶滅の危機にある野鳥
北海道には、確かにたくさんの野鳥が暮らしていますが、中には「絶滅危惧種」に指定されている種類もいる様です。
・アホウドリ
20世紀の初め、乱獲により絶滅の危機を迎えるまでには、北西大西洋に600万羽の個体がいた様です。
そのあと、たった10羽ほどの個体が鳥島(東京都・伊豆諸島)で確認されてからは保護活動により、3,500羽以上に回復した様です。
現在においては、鳥島と尖閣諸島を繁殖地として、世界的にも限られていますが、十勝沖でも確認されたそうです。
・オジロワシ
全体の個体数4万羽弱の内、北海道と本州の北部合わせて1,000羽弱が冬を越す様です。
1970(昭和45)年1月23日、国の天然記念物に指定され、絶滅危惧IB類という「最も野生としての絶滅の危険性が、側まで迫っている種類」に含まれています。
現在は、営巣のあとは見られますが、繁殖にはなかなか繋がらず、実績は良くない様です。
・オオワシ
全体の個体数4,600羽~5,100羽の内、北海道では、東部を中心にして1,400羽~1,700羽の個体が越冬する様です。
1970(昭和45)年1月23日、国の天然記念物に指定され、絶滅危惧Ⅱ類という「絶滅の危険性が大きくなってきている種類」となりました。
・クロツラヘラサギ
全体の個体数は700羽ほどと考えられ、世界的に希少な種類ということです。
そのため、絶滅危惧IA類という「すぐ側まで絶滅の危険が迫り、可能性が極度に高い種類」となっています。
まれに、北海道から南西諸島に飛来するとのことです。
・サカツラガン
食用に乱獲されたことが原因で、激減した様です。
子育ては中国北部やサハリンで行ない、中国東部や朝鮮半島で越冬するそうですが、北海道にも飛来するとのことです。
正確な個体数が不明なため、絶滅危惧種V類(危急種)という「絶滅の危険性が大きくなってきている種類」となっています。
・シマフクロウ
全体の個体数1,000羽の内、北海道内では130羽ほどの様です。
ダムなどの建設による森の減少と乱獲により、また近年では交通事故や感電など、人間の生活に密着した中で命を落とす場合が多いそうです。
1971(昭和46)年に「国定天然記念物」、1993(平成5)年に「絶滅危惧種IA類」と「IUCN絶滅危惧種」、そして、「希少野生動物植物種」に、それぞれ指定を受けています。
なお、同じ時期に「シマフクロウを増やす会」や「シマフクロウ基金」が設立されています。
・タンチョウ
全体の個体数2,800羽弱の内、1,500羽ほどが北海道の東部にある湿原に暮らしている様です。
湿原の減少と乱獲により、国内では絶滅したと思われていましたが、北海道内でごく僅かな個体が発見されてからは、保護対象として回復傾向にあるそうですが、絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。
北海道で暮らすヒヨドリ
上記の様に絶滅を心配される野鳥がいる中で、ヒヨドリの数や暮らしは、どの様になっているのでしょう。
①ヒヨドリの体の色
北海道のヒヨドリは、「エゾヒヨドリ」と呼ばれ、本州のヒヨドリよりも、体が白っぽいそうです。
②ヒヨドリの鳴き声
北海道のヒヨドリは、一般的と言われる様な「ヒーヨヒーヨ」とは聞こえないそうです。
③ヒヨドリは渡る
北海道のヒヨドリは、秋になると本州に向かって室蘭の地球岬から大群で飛び立つそうです。
一説には、北海道の白神岬から本州の竜飛岬にも渡っているということです。
④ヒヨドリの繁殖
ヒヨドリ達は北海道で繁殖し、そのほとんどは、冬を越すために本州に渡るというのです。
中には、北海道で冬を越し、繁殖をし、「留鳥」になる個体も増えてきたそうです。
北海道のヒヨドリには、北海道にとどまった個体と、本州に渡り繁殖する個体、本州に渡ったまま「留鳥」になってしまう個体など、様々の様です。
まとめ
北海道は自然が豊かで、鳥達にも楽園の様なところかと勝手に思い込んでいましたが、今でもたくさんの鳥達が絶滅の危機に接しているということが分かり、心が痛みました。
それとは対照的に、ヒヨドリは、生活圏を日本中に広げ、繁殖し、木の実や果実、畑の作物を荒らし、結構自由に暮らしている様に見受けられました。
世界的には、ヒヨドリは、どうやら日本固有の鳥ともいえるほど珍しく、海外からわざわざヒヨドリを画像などに収めようとやってくる旅行者がいるそうです。
これを考えると、「日本固有の鳥」といえるヒヨドリの個体数が一概に多い(増えた)といえるのか、疑問に思いました。