毎日、私達は鳥の鳴き声を聞いて生活しています。
何気なく聞こえた鳴き声に耳を傾けると、同じ鳥のはずなのに鳴き声が違うと感じることがありますね。
私達には、「ただ、鳴き声が変わった」としか分りませんが、それぞれの個体にとっては、何か意味のあることかも知れません。
私達の生活に比較的密着したヒヨドリの鳴き声について、調べてみます。
目次
野鳥の鳴き声
野鳥の鳴き声には大きく分けて2種類あり、どちらも相手や仲間への連絡手段です。
・さえずり:自己主張(プロポーズや縄張り主張など)
・地鳴き:仲間同士の連絡(居場所を知らせるや警戒など)
一般的に知られているウグイスの場合を例にしてみましょう。
①さえずり:オスしか鳴かない
・プロポーズとしての「ホー・ホケキョ」
春によく聞かれ、これはオスからメスへの鳴き方で、当然ながら、オスしかこの様には鳴かないそうです。
鳴き方は、優しく、ささやく様な鳴き声です。
より近くにいないと、私達にははっきりとは聞こえないかも知れません。
・縄張り主張としての「ホー・ホケキョ」
オスは、自分の子孫を残さなければなりません。
そのためには、振り向いてくれたメスがよそ見をしない様に、ほかのオスを牽制しなければなりません。
メスが自分の子供(卵)を生むまで鳴き続ける様です。
※中には、春を過ぎても「ホー・ホケキョ」と鳴き続ける個体がいますが、ペアを組めなかったオスだといわれています。
②地鳴き:オスもメスも鳴く
・仲間との連絡手段
・危険を知らせる手段
・餌をねだる手段
・・・など
※ウグイス以外の野鳥の地鳴きには、本来10種類以上にも分類され、人間には、識別が難しくいといわれています。
ヒヨドリの鳴き声の意味
ヒヨドリは、野鳥の中でも比較的多くの鳴き方をする野鳥の1つで、透き通った音(PやHから始まる=「ピーヨ」や「ヒーヨ」など)に聞こえます。
ヒヨドリの「さえずり」と「地鳴き」の区別は付き難いという説があります。
ほかには、「ぐぜり」という鳴き方もあるそうです。
①ぐぜり:巣立ちをした雛や大人になる前の個体の練習
・完成度は低い
・聞こえる鳴き声を手当たり次第真似ている
※繁殖期を迎える頃には、正しく鳴ける様になるそうです。
②さえずり
・甲高い
・長い音を一気に
・短くても力強い
③地鳴き
・大人しい
・短い音の連続
・短い音に間隔がある
※実に聞いても、なかなか分かり辛く、聞こえ方には個人差がある様にも思えました。
まとめ
ヒヨドリの鳴き声は、ウグイスなどと比べて、「さえずり」と「地鳴き」の区別が付き難いことが分りました。
何度も聞く内には、微妙な鳴き声に気が付くかも知れません。
自然の中で聞く場合は、繰り返し聞くことができないので、区別するのはやっぱり難しいと思われます。
調べた結果、「さえずり」だけでも数種類、「地鳴き」だけでも5種類以上も見つかりました。
そこに、「ぐぜり」と「鳴き真似」が加わるので、ヒヨドリの鳴き声を区別するのは本当に難問だと感じました。