生き物の中には、オスとメスでその色や見た目が随分違うことが多い様です。
哺乳類では、そういうこともないのですが、虫や鳥などでは、「本当に同じ種類か」と疑うほど差がある場合が少なくありません。
では、ヒヨドリのオスとメス、性別での違いは、どんなところでしょう。
また、よく間違われるというムクドリとの違いはどんなところでしょう。
調べてみます。
ヒヨドリのオスとメス、性別による見分け方
ヒヨドリのオスとメスを見分けるには、公園や庭などで普通に見ているだけでは、なかなか見分けるのが難しい様です。
「羽」や「模様」なども見分けの基準にはならず、ヒヨドリの羽を全開まで広げて、その長さと大きさを測り、大きい方をオスとする報告はある様ですが、個体によっては決め手に欠けます。
オスは、頭の羽が立っている時が多く、メスは、頭の羽が滑らかに見える時が多い様ですが、オスの頭が寝ている時もあり、今ひとつ、決め手に欠ける様です。
ペアでいる時は、オスの頭の羽が立っているので比較的見分けやすいということですが、繁殖の時の共寝で判断するのが一番確実です。
何の力も借りず、人間の「目」で見える範囲での違いは先に書いた通りですが、カメラに紫外線だけを通すフィルター(ろ過装置)越しに撮影し、それをさらに三原色で加工すると、どうやらヒヨドリの頭には、はっきりとした違いがある様です。
なお、若い鳥では、大人の鳥と比べて体が小さく尾の羽が短いので、比較的、見分けがつきやすいということですが、個体差がある様に思えてしまいます。
ムクドリとの違い
ヒヨドリ
・容姿:クチバシと足が暗い色(黒っぽい印象に見える)
・行動:単独でいることが多い
・鳴き声:「ピーヨピーヨ」と「Pの音」に聞こえる
・食べ物:畑の作物を荒らしてしまうほどの大食漢で、農家では、害鳥として名高い
オレンジやミカン、リンゴなど甘い果実が大好物
繁殖期は、虫も食べる
・・・など
ムクドリ
・容姿:クチバシと足が明るい色(オレンジがかった黄色に見える)
・行動:集団でいることが多い(集団で排泄するフンは、フン公害)
・鳴き声:「ビヨビヨ」と「Bの音」に聞こえる(集団での大音量は、公害)
・食べ物:畑の作物も食べるが、ヒヨドリほどではない
木の実や木になる果実が好物
ムクドリは、「椋(ムク)の木の実が好き」といわれていて、呼び名の由来ともなっている
虫も食べる
・・・など
まとめ
動物には、性別の違いを示す何か手がかりがあると思っていましたが、ヒヨドリのオスメスには、ほとんど差がないことが分りました。
人間の目でその差を確認するには、ヒヨドリがペアでいる場合と共寝の時だけの様です。
よく似ているといわれているムクドリとヒヨドリですが、その違いは、「容姿」、「行動」、「鳴き声」、「食べ物」などから、それぞれ明らかでした。
どちらの鳥も、初めは害虫(芋虫など)を食べてくれる「益鳥」でしたが、渡りを止めた個体がその地に根付き、特に天敵もいないことで繁殖し、食べ物を求めて田畑や果実を荒らし、市街地ではフン公害などで、今や「害鳥」になってしまった鳥たちの様です。